北海道フリー切符の旅(part4)



6月10日


1.釧網本線の旅

 まだ釧路行きの普通が来ていなかったので、網走駅の外に出て、カメラに撮った。そして、駅そばがあり、ここで朝食とした。そして、札幌行き「オホーツク」が出発してから釧路行きがきた。キハ54系だった。しかし、転換クロスシートではなく、簡易リクライニングシートであった。何と真ん中には大きなテーブルがあり、ボックスシートみたいになっていた。乗車率は半分ほどであった。トイレに行くと、洋式トイレに改造されていた。これには驚いた。6時42分発車した。

天気は曇りだった。網走を出てしばらくすると、海沿いを走るようになる。オホーツク海の波はあまり高くなかった。原生花園駅の近くになると、馬の放牧などが見えてきて別世界という感じが出てくる。何もない風景が続き、知床半島がどんどん近づいてくると、街並みが増えてきた。7時22分知床斜里に到着した。ここで多少の入れ替わりがあるが、乗客は増えていた。反対列車の網走行きが到着し、7時27分出発した。

ここから海を離れて平地を走る。緑駅の前にはパターゴルフ場があった。ここ緑で反対列車を待ってから出発した。ここから山越えの区間となった。途中、のんびりと走っているとエゾシカが逃げる所を見た。またも鹿を発見した。摩周に来ると、山から離れ始め、乗客もさらに増えてきた。1両ではそろそろ厳しい雰囲気が出てきそうだ。摩周湖などはキリが出ていて何も見えず、キリが濃くなり始めた頃に標茶に到着した。日曜日のせいか、遊び客で一杯になった。網走を出た頃とは全然違う車内になっていた。

標茶は標津線の分岐だったのか少し構内が広かった。しかし、廃線跡を見ることはできなかった。標茶をすぎると最後のハイライトというべき釧路湿原が右の方に見えてきた。しかし、あいにく左の方に座っていたためはっきりと見ることはできなかった。とりあえず、途中駅でカメラを撮り、湿原に来た事をアピールした。混雑したまま9時59分に釧路に到着した。雨はやはり降っていた。11時04分発の根室行きにはまだ時間があるので、待合室で待つことにした。


2.花咲線の旅

 10時半頃に根室行きの快速のホームへ行く。すでに入線していたが、乗客は少なかった。この状態だと昼飯は大丈夫だと思い、駅弁を買った。かきめしを買った。さすがに本場の味はよいと思った。乗客を半分くらい乗せて11時04分に出発した。「スーパーおおぞら」からの乗り換え客は少なくて一安心した。

やはり線型が悪い事はよく分かった。快速なので、通過駅はあってもスピードはあまり速く走ることはないので、さほど時間は変わらない。釧路市街を出ると、山か湿地帯ばかりをとおり、とても人が近寄れない所を通る。花咲線の最大の駅、厚岸にくると、入れ替わり乗車があった。

厚岸を過ぎると海沿いをしばらく走る。しかし、すぐに海は消え、山の中へ入っていく。時々湿地帯を走るようになるが、霧がひどく視界がかなり悪くなった。旧標津線の分岐駅厚床をすぎると、とうとう果てに来たと感じるような風景となった。小高い丘を走り、見渡すと草や木がずーっと広がっていた。もちろん何もない。一人取り残されたら生きて返ってこられないと思うほどの無人帯だ。落石辺りに来ると、海が近くに現れる。まるで無人島のような景色だ。これを見ていると本当に日本なのか?と思ってしまう。花咲駅を過ぎ、しばらくは無人帯が続くが突如家が現れ始める。すると、日本最東端の駅、東根室を通過すると、すでに都会が広がっていた。西へカーブをして、すぐに根室駅に到着した。

13時09分、約2時間だった。駅名の写真を後回しにして、すぐに根室バスターミナルに行き、ノサップ岬行きの切符を買った。往復で買うと割引になっていた。かなり寒く、冷たい雨が降っていた。ノサップ岬行きのバスは、名鉄バスでいうと旧型バスであった。バスは、すぐに根室市街を離れた。すると街並みが途切れる。一気に何もない平原が広がっていた。海岸線の近くを走り、日曜のせいなのか家族全員で昆布を干しているのをよく見かけた。霧がひどくて遠くを見渡す事ができなかった。約40分でノサップ岬に着いた。しかし、バスが停車した時、あれ?と一瞬思った。霧でよく見えなかったから、ノサップにきたことが分からなかった。降り立つとすごく寒かった。


3.ノサップにて

 とりあえず、降りてすぐに記念碑などの写真を撮る。時々不気味なサイレンが鳴り、国境が近いということを認識してしまう。しかし、キリの為、すぐそばの燈台やタワーの上のほうは見えなかった。燈台の方へ向かい歩いていると、食堂の叔母ちゃんに声をかけられた。「名古屋から一人できた。」と言うと、すごい喜ばれた。叔母ちゃんも愛知の人だった。また名古屋から来ている3人組もいる事を聞き、うれしくなってその食堂に入った。名前は、武内商店。今度ノサップに来た時はここに寄ろうと思っていた。お茶と昆布をもらい、寒さから復活した。そして今までに旅したことを語った。すぐに時間がきてしまい、御礼を言って別れた。

そして、すぐにバス停へ戻った。最東端の証明書はもらえなかったが、同県の人と語れたのはすごく大きかった。まさかこの最東端で会えるとは思いもよらず、すごくうれしかった。わずか40分でノサップをあとにした。そして15時20分に根室駅に到着した。

まだ列車の時間まで1時間あるので車止めまで行き、カメラに撮った。しばらく待合室で過ごしていると、たくさんの人が待合室に来た。そして16時10分頃に折り返しの列車が到着した。そして改札がはじまると今度は行きとは反対の席に座り、荷物を置くと、すぐに駅名を撮った。16時17分定刻どおりに発車した。ほぼ席は埋まっていた。この列車も簡易リクライニングシードであった。途中、厚床と厚岸で乗車が多く見られた。

厚床駅では、旧標津線の跡をチェックしようとしたが、見つけることができなかった。ふとみると、機関車の転車台あった。ここまでくると、昆布干しも見えなくなる。この日に昆布干しが解禁されたことを食堂の叔母ちゃんに聞いた。ということは、日高地方とは違うと言う事なのだろうか?列車は、18時31分に釧路に到着した。

ノサップ岬に行っていた旅人らも18時35分発の「スーパーおおぞら」に乗り込むようだった。すでに半分くらいの乗車率であった。ほとんどの旅人らは、自由席や指定席の方へ行く。自分はおえらい様気分でグリーン車へ。グリーン車に入ると、283系のいつものグリーン車。しかし、少し違うのは荷物置きがハットラック式になっていたという事だった。グリーン車は半分程度いた。


(3)「スーパーおおぞら」の旅

 18時35分定刻に発車した。やはり加速が違う。すごい速さだ。しかし、乗り心地はあまり良くなかった。釧路駅では時間がなかった為におしぼりサービスの時に、乗務員に弁当を注文した。すぐに応対してくれた。頼んだのは、湿原弁当とほろ酔いセットだった。ビールとビーフジャーキーのセットである。湿地帯の線路でスピードを上げて飛ばす為にかなり揺られていたが、食べることには、支障がなかった。

白糠を過ぎ、海岸線が遠くなり山へ入ってもスピードは速かった。これが283系の強みであろう。しかし、揺れはあいかわらずひどかった。20時07分帯広に到着した。すでに高架の駅となっており、広尾行きや十勝三股行きの廃線跡は消えていた。下のほうは分からないが、高架線になってなくなったのだろうか?ここで少し乗客が乗り込んできたが、グリーン車は満席になることはなかった。

帯広市街を抜けると明るかった景色が真っ暗になった。新得到着前に乗務員が下車の挨拶に来た。扉付近に向かう。車掌室の前で待っていると、車掌と乗務員の会話が聞こえた。携帯電話について話をしていた。激務の為にあまり使う事はないと言う事を聞いてしまった。20時36分新得に到着した。雨はかなり降っていた。降りたのは、数人しかいなかった。さすがにここから根室線で富良野、滝川方面へ行く人は誰もいなかった。全員がこの新得で降りた。


(4)真っ暗な根室線の旅

 反対のホームにキハ40系の滝川行きが1両で停車していた。乗ってみると、一人しか乗っていなかった。そして、出発時刻が来ても誰も乗る人はいなかった。そして、発車した。やはりスピードは遅い。しかもワンボックスを占領していても、今までのグリーン席に座っていたため、つらいものを感じた。次の落合駅まではすごく時間がかかった。途中の信号場で「スーパーおおぞら」を待ち、山道のせいかゆっくりと走っていた。

21時21分、約40分かけて落合駅に到着した。落合駅は終点の列車があるせいなのか、2面2線の駅だった。うるさいのは雨の音ぐらいの状態であった。どこの駅に停車しても誰も乗降はなかった。しかも、景色は真っ暗で何も見えなかった。

22時13分、富良野駅に到着した。ここで10人くらい乗り込んできた。ここでなぜかホッとする。ここから先は入れ替わりがあっても乗車率はさほど変わらなかった。芦別では、新得から乗っていた人がやっと降りた。終点の滝川には23時16分に到着した。雨も降っていてかなり冷えていた。降りる客も少なかった。そして、旭川方面のホームに向かった。


(5)オホーツクの夜行グリーン車

 網走行きの「オホーツク」が来るホームには、人はあまりいなかった。すぐに入線をしてきた。自由席はほぼ満席になっていた。グリーン車の中に入るとかなりの人がいたのに驚いた。ほぼ埋まっていた。減光もされていなかった。23時20分発車。

しかし、加速は遅すぎる。しかもトップスピードでも100キロを超えていないだろう。のんびりと走っているという感じだ。やはり283系とは比べたら失礼だろう。旭川まで40分以上もかかった。0時02分に到着。自由席から主に降りる人が多かった。雨もまだ強く降っていた。ダッシュでホテルへ向かった。






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